LOGIN翌朝が待ち遠しい。そんなふうに感じながら、ユウはやっとの思いで眠りについた。
柔らかな木漏れ日が差し込む森の一角。風が優しく葉を揺らし、静かで穏やかな時間が流れている。「よし、まずは木のナイフを使って練習だ。」
ユウがそう言いながら、二人に木で作られた短剣を渡すと、ミレディとシャルは目を輝かせた。
「わぁぁ……! これが訓練用の武器なの?」
「本物じゃなくても、なんだかドキドキします……!」ミレディは嬉しそうに軽く振ってみるが──
ブンッ!
「わぁっ!? きゃあっ!」
あっさりとバランスを崩して、ぐるんと回転しながら転ぶ。
「ちょっとミレディさん、それ振りすぎですよ……!」
シャルが慌てて駆け寄る。
「うぅ……だ、大丈夫ぅ……! 軽いから余計に振っちゃったぁ……!」
ユウは苦笑しながらミレディを助け起こし、木のナイフを持ち直すよう促す。
「ほら、まずは落ち着いて。敵に攻撃するんじゃなくて、急所を狙う動きを練習するんだ。」
「はいっ!」
「うんっ!」二人は並んで姿勢を正し、ユウの説明を真剣に聞く。
「例えば、相手が油断しているとき──こうやって静かに近づいて……」
ユウが軽く手本を見せると、二人とも集中して真似ようとする。
「こ、こう……?」
「静かに……近づいて……」ミレディとシャルは何度も繰り返しながら、楽しそうに練習を続けていた。その様子を見守るユウも、思わず微笑んでしまう。
こうして、穏やかな森の中で、二人のほのぼのとした訓練が始まった。戦いというよりは、遊びのような雰囲気──だが、確実に少しずつ成長している。
(これなら、焦らず無理なく進められそうだな。)
──しばらく、のんびりと訓練をしていくはずだったのだが……初めは護身術のつもりだったが、途中から訓練の方針を暗殺術に変更したのが正解だった。そう、予想以上に二人の動きが鋭く、暗殺術と相性がいい。
吸収の速さは驚異的で、まるで本能的に動いているかのようだった。ミレディもシャルも小柄で力こそないが──その瞬発力とスピードは尋常ではない。武器を扱う際の動きも無駄がなく、まるで獲物に向かう捕食者のような敏捷さがある。
これは……まさに暗殺術向きだった。
敵が油断している隙を狙う──この戦術に適した素質を持っている。ただの護身術ではなく、一撃で決めるための技。二人には、戦いにおける「迷い」がない。だからこそ、攻撃の速度が無駄なく研ぎ澄まされている。
この戦闘スタイルをさらに洗練すれば──どんな相手にも対応できる術になる。ユウは静かに息を吐きながら、武器を構えた二人を見つめた。
(この訓練、思った以上に──面白いことになりそうだな。)
森の訓練場 ― 双剣の練習試合 清々しい朝の空気の中、俺たちは訓練場へと足を運んだ。木々の間から差し込む光が、心地よく地面を照らしている。「じゃあ、今日は双剣の訓練をするぞ。」
そう告げると、ミレディとシャルは少し緊張した表情を浮かべた。
「えっとぉ……ユウくんにケガさせちゃうのはイヤだなぁ……」
「私もです……ユウ様に傷をつけるのは絶対に嫌です……!」二人は申し合わせたかのように、心配そうに俺を見上げる。俺は軽く苦笑しながら、彼女たちを安心させるように言った。
「なら、お互いにバリアを張れば問題ないな。」
ミレディとシャルは顔を見合わせ、頷くと──
「それじゃあ……バリアおねがいっ!」
「おねがいします!」柔らかな魔力が空気に満ち、二人の周囲に薄く輝く防護結界が広がる。俺も同じようにバリアを張り、試合の準備を整えた。
「よし、じゃあ始めるぞ。」
訓練開始の合図とともに、ミレディとシャルが一気に動いた。双剣を構え、目にも留まらぬ速さで駆け出す。
──速い。
俺の予想以上に、二人は見事な連携を見せた。ミレディが軽やかに前に出ながら斬りかかる──その隙を、シャルが寸分違わず補うように攻撃を繋げる。攻撃の切れ目がない。まるで対話するように動きが噛み合い、双剣の連携が見事に成立していた。
「すごぉい……! シャルちゃん、ぴったりだよぉ!」
「ミレディさんも、すごく動きが綺麗です……!」二人は互いを褒めながら、それでも俺に向かって攻撃を続けてくる。もちろん、技術はまだ荒削りだし、パワー不足もある。
だが──これは伸びる。
瞬発力とスピードを活かした双剣戦術は、まさに二人に向いている戦い方だった。俺は攻撃をいなしながら、確信する。
(この訓練、もっと洗練させれば──本当に強くなるな。)
試合の最後、俺は軽くバリアを張りつつ、二人の攻撃を受け流した。
「ふぅ……なかなかいい動きだったな。」
「ほんとぉ!? やったぁぁ♪」
「ありがとうございます……でも、もっと上達したいです!」二人は嬉しそうに微笑みながら、それぞれの双剣を軽く見つめる。
こうして、初めての双剣訓練は大成功に終わった。
次は──さらに実践的な動きを教えようか。
訓練場 ― シールドを足場にする戦闘術 休憩を挟み、次に取り組んだのはシールドの練習だった。「この魔法は防御用じゃない。足場として使う。」
俺の言葉に、ミレディとシャルは一瞬きょとんとした表情を浮かべたが──
「えっとぉ……足場にぃ?」
「シールドを……踏む、ということですか?」セラの狙いは、パンを奪うことではなかった。少年の虚栄心と、周囲からの評価を利用することで、争いを収め、同時に自身の「無害さ」と「可愛らしさ」を周囲に再認識させることだった。彼女は、言葉一つで人の心を動かし、状況を有利に変える術を、この頃から会得していた。 警備兵の冷たい対応。あの日、絶望の淵で助けを求めても、誰も聞く耳を持たなかった。だが、今となっては、それすらも感謝している。もし同情され、親身に話を聞いてもらっていたら、彼女は何も学ぶことはなかっただろう。ただ慰められ、何も解決できず、無力なまま過ごしていたはずだ。人を頼っては裏切られ泣くだけの少女となっていたか、甘い言葉に利用され泣くだけの日々を送っていたかもしれない。 警備兵が冷たくあしらってくれたおかげで、彼女は無邪気な少女を演じながら、一切の感情を消し去る術を覚えた。可愛らしい笑顔の裏には、冷静で計算された視線がある。無邪気な言葉の下には、相手の心理を操る知恵がある。力はなくても、話術に交渉術――生き抜くための技術は、彼女の身体に染み込むように、自然と備わっていった。 ——孤児の世界での生存戦略 孤児として生きることは、決して楽ではなかった。しかし、セラは本能的に生きる術を理解していた。彼女はただ孤独に苦しむのではなく、周囲の人間を最大限に活用することを選んだ。 孤児たちの世界にも、暗黙の序列がある。強い者は守られ、弱い者は淘汰される。セラは戦う力を持たない。ならば――強い者に守られる立場になるしかない。彼女はいつも無邪気な笑顔を見せ、「守りたい」と思わせることで、安全な環境を確保していた。独占欲を引き出せば、誰かが側にいてくれる。少女の小さな体を盾にする者は多く、彼女はその心理を知っていた。 孤児として生きる以上、知識こそ最大の武器。セラは頭の良い者と親しくなり、会話の中で必要な情報を集めた。「どこが危険なのか」「誰と関われば得をするのか」これらを知ることで、最悪の状況を避け、最良の選択を取り続けた。知識は力になる――それを、彼女は幼い頃から理解していた。 危険な場所には近づかず、危険な者とは距離を取る。無駄なリスクは負わない。それがセラの生存戦略だっ
町外れの静かな村で、セラは貧しくも幸せな家庭に生まれた。質素な暮らしのなかで、わずかな家畜を育て、畑で野菜を作り、家族みんなで食卓を囲む日々を送っていた。近所の幼馴染たちと遊ぶ時間が、何よりの楽しみだった。 だが、そのささやかな幸福は、一夜にして崩れ去る――。 ——闇夜の襲撃、燃え落ちる故郷 ある夜、村は闇に包まれた。それは静かな襲撃ではなく、すべてを奪い尽くす凶暴な略奪だった。盗賊たちが押し寄せ、金品を奪い、女性や子どもを連れ去っていく。一夜にして村は廃墟と化し、家々は炎に包まれ、悲鳴が夜空に響き渡った。セラの家もまた、その惨劇の標的となった。 セラは五人兄弟の末っ子で、唯一の女の子。家族にとって、特に兄たちにとっては、守るべき大切な存在だった。父は万が一に備え、セラの子ども部屋のベッドの床下に、小さな隠れ場所を用意していた。地面を掘り、床板で覆っただけの、簡素な空間である。 だが、そこに兄たちが隠れる余地はなかった。だから――兄たちはセラだけを、そこへ押し込めた。「いや! お兄ちゃん!! 出して! みんながいなきゃ……わたし、生きていけない!」 泣き叫ぶセラに、兄たちは笑って見せた。「生きてりゃ、きっといいことあるさ!」 「俺たち、死ぬつもりねぇし! また、みんなで仲良く暮らそーぜ!」 「声を出すなよ!」 それが、セラと家族の最後の会話となった。 ——惨劇の朝、突きつけられた現実 夜が明け、静寂に包まれた村で、セラは隠れ場所から必死に這い出した。そこに広がっていたのは、変わり果てた故郷の姿だった。 村は瓦礫と屍に埋もれ、静寂だけが支配していた。人々は木の棒や農具を手に、抵抗の跡を残したまま倒れていた。父も、兄たちも、そして母も――誰一人として、生き残ってはいなかった。町外れのこの村は、王国にとってただの辺境に過ぎなかった。衛兵が現れることは一度もなく、助けを求めることすら叶わなかった。焼け跡をさまよい、最後の希望を胸に町へと向か
ユウはすぐに警備隊長を呼び出し、国境警備の強化と不審な動きの報告を命じた。しかし、それはあくまで表向きの対処だ。ユウが本当に頼りにしたのは、地下深く、人知れず活動する「影猫」が持つ、地を這うような情報網だった。「影猫よ、全力を挙げよ。敵の意図、兵力、侵攻ルート、総大将の性格、指揮官の癖……あらゆる情報を集めろ。特に、奴らの奇襲の可能性と、弱点となり得る箇所を探れ。」 ユウの指示は明確だった。ミレディとシャルロッテは、その言葉の重みを理解し、影猫の全メンバーに最高位の指令を発する。孤児たちは、町や街道、そして時には国境付近の森の奥深くまで潜り込み、日夜情報を集め続けた。 ——影猫の情報網:敵の深層を暴く 数日後、次々と集められた情報は、驚くべきものだった。「敵国の主要部隊は、偽装した商隊に紛れて国境近くに集結しています。偵察隊は偽の情報で別のルートを散布しています。」「指揮官は、戦術に長けていますが、夜襲と火計を特に警戒する傾向があります。」「敵の補給路は、第三国の国境近くにある未開の森を迂回しており、その森には危険な魔物の群れが生息しています。ただし、このルートが最短のため、彼らはそこを強行突破する計画のようです。」 シャルロッテが冷静に情報を整理し、ミレディが補足していく。敵の侵攻は単なる正面突破ではなく、欺瞞と裏をかく戦術を含んでいること、そして彼らが補給路において大きなリスクを抱えていることが明らかになった。特に、未開の森を迂回する補給路の情報は、ユウにとって決定的なものだった。「なるほど……火計を警戒するか。そして、魔物の森を強行突破。奴らは時間を稼ぎたい、もしくは一気に決着をつけたいと考えているな。」 ユウは集まった情報を見つめ、静かに思考を巡らせる。彼の脳裏では、領地の地図と敵の動きが立体的に展開されていった。 ——ユウの采配:最小限の犠牲で勝利へ ユウは即座に作戦を立てた。 まず、辺境伯領の兵士たちには、敵の偽装偵察隊を追
子どもに案内されながら歩く途中、ミレディは「危ないんじゃないの!?」と気づく。「でも、わたしたち、お金持ちじゃないもーん。お姉ちゃんは危ないかもー!」そう言われ、ミレディは詳しい場所だけを聞いた。孤児だった彼女には土地勘があり、その場所がどういうところかすぐに理解できた。 ミレディはすぐにシャルへとその情報を伝え、慎重に確認を進めた結果、情報が確かだと判明する。そして、ユウに報告した時のこと──「本当か……! いい仕事をしたな、ミレディ。」 ユウが笑いながらミレディを褒めたその瞬間、ミレディは初めて気づく。情報は、力になり、武器にもなり、お金にもなると。 この出来事をきっかけに、シャルとミレディは情報の価値を意識し始める。孤児たちは社会の影に生きながら、実は誰よりも世界を見ている。その情報が武器になることを確信し、秘密裏に組織を作る決意を固めた。「そうですね……拠点が必要となりますね。そうなると……人目に付かない町はずれですかね。町の中ですと他の孤児も集まってしまって大変なことになってしまいます。少人数が良いです。信頼ができる孤児を集めて……拠点の事は秘密にしてという感じでしょうか。」 友だちのことを話すと、シャルは現実的な意見を述べた。「うん。それがいいね。さんせーい♪ 実はね、頼みたかったんだぁ~。わたし、お金ないしぃ……年下のシャルちゃんに頼みずらくてさぁ……」「ユウ様に知られてしまうと、危ないからダメだ、と言われそうですね……秘密で。」「うん。わかったぁ! ひみつぅ」 ミレディとシャルは、孤児たちを安全に保護するため、町外れの空き家を拠点に定めた。そこは質素だが、人目を避けるには十分だ。孤児たちは新たな生活を始めると同時に、自分たちが持つ情報の価値を少しずつ理解していく。 ——情報収集と分類の確立「私たちは、ただ孤児を守るのではなく、
秘密影猫(かげねこ)組織の誕生——情報収集の始まり ——ミレディの成長と誇りの紋章 ミレディは今では、一人で平気で町へ出かけられるほどにまで成長している。かつて彼女は孤児として男に襲われた過去があり、その恐怖からユウに助けられ、保護された。あの出来事をきっかけに、彼に深い信頼と想いを寄せるようになった。 当時のミレディはユウと片時も離れようとせず、トイレに行くときでさえ付き添いを求めたほどだったが、ユウはいつも笑顔で応じていた。 そんな彼女に自信が芽生えたのは、武器を買い、戦闘訓練を積み、仲間と共に川へ向かう途中で獣を討伐し、ユウに褒められたことがきっかけだった。さらに、ユウから贈られた辺境伯の紋章入りペンダントと、同じ紋章が金糸で刺繍されたショートマントも、彼女の背中を力強く押したのだった。 この紋章は国王から正式に授けられたもので、王国の象徴たる黄金の王冠が頂点に輝き、その下には騎士剣と両手剣が交差する。「王国の守護者」としての武勇と戦略の均衡を示し、交差点には魔物討伐の象徴たる燃え上がる炎が刻まれる。背後には領地を囲む森の影が深緑で描かれ、王国の境界を守り、魔物の脅威と対峙する宿命を象徴する。剣の下部には鋼鉄の盾が据えられ、王国の紋章が刻まれる。これは「王国の最後の砦」としての役割、辺境伯の忠誠と防衛の責務を誇示するものだ。盾の周囲に彫り込まれた城壁の意匠は、王都へと続く唯一の安全な道を守る者であることを示す。 紋章全体は鋭角的な構成で、整然とした威厳あるデザインだ。王家より授けられたこの紋章は、単なる貴族の印ではなく、「魔物討伐と王国防衛を担う者」という誇り高き使命を刻み込んだ象徴なのである。 この紋章のおかげで、ミレディが町で絡まれたり、意地悪されることはなくなった。声を掛けてくるのは警備兵や衛兵くらいだ。さらに、ユウに連れられ買い物をしていたことで、町の人に顔を覚えられている。誘拐や襲撃の恐れがあるため護衛はつくものの、ミレディは自由に街を行動できる。彼女自身も、町で襲われそうになった際にナイフを使い瞬時に撃退し、その強さを知らしめていた。 —&mda
シャルの小さな胸を触りながら、抱きしめて上半身を起こした。片手は乳首を弄り、もう片手で柔らかな腹を撫でる。腰を小刻みに動かし、中をかき混ぜるような動きをした。その刺激に、シャルの喘ぎ声はさらに甘く、乱れていく。「んぅぅん……♡ あぁ……ん♡ あ、あ、あぁ……ん♡ や、だ、だめぇ……あぁ……ん♡」 シャルの瞳は完全にトロけて焦点が定まらず、口元は僅かに開き、甘い吐息が漏れる。身体は快感に打ち震え、膝をガクガクと震わせ、今にも崩れ落ちそうだ。その腟内が、きゅぅぅと俺を締め付けてくるとぷしゃ……ぷしゃぁぁ♡と腰をビックンっ♡ ビックンっ♡と動かし、快感に身を震わせながら潮を吹き出した。「あぅ……♡ ユウ様ぁ……で、出ちゃいましたぁ……ううぅ」 絶頂の余韻に、小さな体をひくっひくっと震わせるシャル。その顔は恍惚としながらも、どこか呆然としていた。 俺も射精をして、振り向くシャルの唇に夢中でキスを始めた。「んぅ……はぁ、はぁ♡ んぅ……♡」 シャルも夢中でキスを返してきた。互いの唇が熱く、喘ぎと混じり合ったキスは、二人の絆をさらに深く結びつけるようだった。 夢中でキスをしてくるシャルを抱きかかえ、俺はソファーへと向かった。「はわっ、どちらへ?」 急に抱きかかえられたシャルが、目を丸くして驚いた顔で聞いてきた。その小さな手が、思わず俺のシャツをぎゅっと掴む。「ソファーで、ゆっくりと続けようかと……」「そうですか……もう、終わりだと……思いました」 顔を真っ赤にしたシャルが、恥ずかしそうに、しかしどこか名残惜しそうに言った。そんな可愛らしい姿を見て、シャルの頬に頬ずりをした。